OpenAIが提供を開始した最新の大規模言語モデル「GPT-6 Astra」を用いて、任天堂の人気シリーズ『大乱闘スマッシュブラザーズ(Super Smash Bros.)』のクローンを制作したとする投稿がSNS上で共有され、議論を呼んでいます。
GPT-6 Astraで生成された“スマブラクローン”
投稿をおこなったのは、Web3分野の開発・マーケティングに携わるZaddy氏です。同氏が公開した動画では、マリオ、カービィ、トゥーンリンク、ピカチュウの4キャラクターが戦う「Super Smash Battlefield」と題されたゲームのデモが映し出されています。攻撃によりダメージを蓄積させ、ステージ外へふっとばしてKOを狙うという、オリジナル作品に近いシステムが再現されているとのことです。
一方で、キャラクターが直立不動のままぎこちなくジャンプするなど、動作面では粗削りな印象が残る仕上がりとなっています。Zaddy氏はフルゲームの品質には達していないと前置きしたうえで、このクローンの生成にかかった計算コストは1本あたり約10ドル(約1600円)程度だったと説明しています。
同氏はさらに『マリオカート(Mario Kart)』のクローンについてもワンショット生成を試みており、レインボーロード風のコースを走行するルイージの映像を公開しています。
開発者からは皮肉、コミュニティは賛否両論
この投稿に対しては、ゲーム業界人からも反応が寄せられています。『スマブラ』の影響を受けたSteamの2D格闘ゲーム『Rivals of Aether』の開発者であるDan Fornace氏は、公開された映像を見て「少なくとも当面は自分の仕事が担保されていると知れて嬉しい」とコメント。クローンの完成度を踏まえ、当面はAIに仕事を奪われる懸念は少ないと皮肉る形で反応しました。
コミュニティ内では、クリエイターが手掛けた作品と比較して、AIが生成したクローンに10ドルを支払う価値があるかを疑問視する意見も見られます。その一方で、モデルの登場からわずか数日でこうしたデモが作られたことに、ゲーム開発におけるAIの可能性を見出す声も挙がっているとのことです。
AIによるゲーム開発を巡る課題
ゲーム開発におけるAI利用については、依然として解決すべき課題が多く残されています。生成AIは学習データの不透明性が指摘されることが多く、権利面での懸念も残ります。各国での法整備の状況も踏まえると、学習データを巡る問題が払拭されない限り、本格的な導入が難しい作業も少なくないのが現状です。
また、開発者の仕事が代替される可能性や、生成物の品質を巡る議論もあり、ゲーム業界内ではAI導入への反発も生じています。今回の『スマブラ』クローンに対しても、ゲーム業界関係者やコミュニティから冷ややかな視線が向けられている面があり、AIの急速な進歩と同時に、AIによるゲーム開発の課題も改めて浮き彫りとなっています。
参照元: AUTOMATON
